スマートフォンの持つ特徴

フィーチャーフォンと比べてスマートフォンだと何が違うのでしょうか?その特徴を7つに整理してみました。
1)Web常時接続
携帯回線、WiFi回線の切り替えが可能です。ユーザーの多くは、契約時にパケット定額サービスを利用し、インターネット閲覧を前提に購入しています。
2)各種外部インターフェイス搭載による高いリアルへ誘導性
タッチパネルにより指でなぞる、擦るなど従来のボタン操作にはない直感的な操作をはじめ、カメラ機能、ジャイロ機能(端末の縦、横、斜めの状態を自動的に認識してくれる機能)、各種通信機能など外部インターフェイスが豊富なのが特徴です。これらの機能をアプリで制御することにより、今まで考えなかったような使い方を実現できます。

【タッチパネル機能】 指動作認識、タッチ機能を用いた電子スタンプ
【カメラ機能】 画像認識、バーコードリーダー(QR、JAN)、AR(拡張現実)
【ジャイロ機能】 振って操作、機器の方向で操作(電子コンパス)
【各種通信機能】 IC通信(10cm以内の近距離無線通信。国内で普及しているおサイフケータイの規格「Felica」や、国際的に普及し始めている規格「NFC」)、機器間通信(無線通信のWiFi、Bluetooth、有線通信のUSB)
【指紋認証機能】 ホームボタンの指紋認証(パスワード入力の手間を省ける)
3)プッシュ型情報配信
フィーチャーフォンと比較して、ダウンロードして使うアプリの利用率が高いのも特徴です。特に、ニュースアプリやLINEなどのメッセンジャーアプリ、SNSアプリなどの更新性の高いアプリでは、アップデートをお知らせする機能を用いて、スマートフォンを立ち上げると、更新が分かるプッシュ型の情報配信が可能です。また、携帯メールやSMSも使用できます。
4)手軽なアプリ利用
スマートフォンを起動すると、アプリのアイコンが並んだ画面になっています。そこからワンクリックで各種アプリが起動します。ユーザーが自然にアプリを使える設計になっています。
5)パソコン用Webサイト閲覧
従来の文字中心の携帯専用サイトではなく、色鮮やかなパソコンサイトやスマートフォンサイトが閲覧できるので、外出先でウェブにある世界中のコンテンツを利用できます。企業サイトもそのまま見られます。ただし、iPhoneでは、Flash技術を用いたサイトは閲覧できないような制約もあります。
6)リッチコンテンツ(動画、ゲーム、電子書籍 等)
大きめの画面を生かし、リッチなコンテンツを楽しむことができます。特に、スマートフォンユーザーはYouTube(ユーチューブ)などの動画利用が増える傾向もあります。また、その操作性、表現力、アプリの入手しやすさ等からスマートフォンアプリゲーム市場が急拡大し、「モンスターストライク」や「ポケモンGO」などヒットを生んでいます。
図 SNS・動画視聴・Eコマースの利用状況の違い

【出典】総務省「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究」
(平成26年)
このようにスマートフォンは、パソコンやフィーチャーフォン双方の機能を兼ね備え、インターネットがより身近なものになり、生活に占める割合が増しています。
7)回線の高速化
このようなリッチコンテンツの利用が活性化しているのは、回線の高速化も背景にあります。従来の通信回線は、「3G」(第3世代移動通信システム)と呼ばれる規格で、回線速度は、数Mbps~14Mbps(メガビット毎秒)程度でした。その3Gの後継として登場した、高速な通信規格が「LTE」(Long Term Evolution)です(3.9Gや4Gと呼ぶ場合も)。LTEは下り75Mbps~100Mbps程度を謳うサービスが多く、理論値では3Gよりも10倍近い高速通信になります。日本のLTEの契約数は、2012年から急速に普及し、2015年に3Gを逆転し現在主流の回線になっています。
図 3G・LTE・PHS・BWAの各契約数の推移(単純合算)

BWA=広帯域移動無線アクセスシステム(Broadband Wireless Access)WiMAX等のサービスがある。
【出典】総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成29年度第4四半期(3月末)」
また現在世界各国では、5G(第5世代移動通信システム)を2020年に実現するための取組が進められています。これまで通信速度の向上が進んできましたが、5Gもより高速化をするに加え「多数同時接続」、「超低遅延」といった特徴を持っています。スマートフォンはもとより、遠隔地のロボット操作や自宅内で多数の端末・センサーがネット接続可能になり、IoT(Internet of Things・物のインターネット)サービス進展の基盤になると期待されています。
図 5Gの特徴

【出典】平成29年 総務省情報通信審議会新世代モバイル通信システム委員会報告